●ガイドウェイバス「ゆとりーとライン」
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名古屋市東区大曽根・JR中央線高蔵寺駅間約14kmを結びその内高架区間大曽根・小幡緑地間約6.5kmは道路中央の専用高架区間を、それよりJR中央線高蔵寺駅前までは地上走行をする。この高架区間の走行は鉄道規格で運用されている。 大曽根・小幡緑地間の専用高架道路は、上下一車線の高架部分の路面中央・側面に案内レールが設置され、その案内レールにバスの車輪脇から突き出した案内輪をなぞらせ走行。運転手はこの間ハンドル操作を必要としない。バスは小幡緑地駅を過ぎると案内輪を車内より操作し車体の下に格納、地上の一般道路を通常走行する。 ここからもバスの高速性・定時制を保つため交差点信号をバス優先にするため光信号を発し青信号をコントロール(PTPS、公共車両優先システム)する。高架部を時速60km程で走行、地上走行では青信号をコントロールするなど大曽根〜高蔵寺間を約40分で走行、ラッシュ時には3分、それ以外では約10分間隔で運行し従来より大幅に時間短縮を果たしている。 使用車両はハイブリッド車など各種排出ガス規制等環境優先車両。運転手は地上走行の大型二種免許と高架用の無軌条電車運転免許(トロリーバス用)の二種類が必要。高架部では風速25mにて安全のため運転を見合わせ、また郊外のバス停付近に大型駐車場を造り自家用車からバスへ乗り換え都心へとパークアンドライド方式を目指している。 六万人の人口増を見込んだ志段味ヒューマンサイエンスパーク(現名古屋サイエンスパーク)構想はその進捗状況ははかばかしくないが、公的研究機関の集積を図るAゾーン、大学・研究機関などの集積を図るBゾーン、民間の研究開発施設などの集積を図るCゾーン、そして市民と先端科学技術のふれあいの場ゾーンが設定されたが、2012年(平成24)6月、Bゾーンの理工系大学誘致は断念された。しかしながら志段味地区一帯は現在新たな開発が進み、住宅・大型ショッピングセンターなど建設が進み、公共交通機関に恵まれなかった志段味・吉根・川東地区の方々にとっては重要な足となっており、当初60%前後の乗車率も年々向上し、ラッシュ時には3分間隔で対応するなど乗車率は年々上向いている。 日本初、海外ではドイツ、オーストラリア、近年ではイギリスで実用化されている同システム。これだけ長距離の高架専用道路を走行するのは同所のみ。 乗車環境は快適そのもので渋滞の道路を眼下に快適に走行し眺めも良好。しかし高架道路のおかげで沿線住民の一部は日照権を侵害されたり高架駅への乗り降りはエレベータ使用など不慣れなお年寄りや弱者には若干の不便もある。 現在、高架区間は小幡緑地までで志段味地区の路線は地上走行のまま。そのため道路拡張工事が暫時されており、2005年(平成17)1月、志段味地区の方々、区民を中心に約3,000名の署名を集め「名古屋ガイドウェイバス志段味線高架区間延長促進期成同盟会」(ガイドウェイ同盟会)が結成され、志段味地区を経由しJR中央線高蔵寺駅までの高架延長を求め関連機関への陳情、名古屋市議会への請願書提出など運動が始まっており、また都心方面への直接乗り入れも検討され今後楽しみな新交通システムとなっている。 ●現状と今後 2006年(平成18)3月決算において債務超過に陥り名古屋市では総務省のガイドラインに基づき2009年(平成21)7月より外部の有識者会議を開き名古屋市交通局との統合を念頭に経営改革を初め、2009年(平成21)10月1日、名鉄バス、JR東海バスが運行より撤退した事によりダイヤ等大幅変更をし運行主体は名古屋市交通局に移行した。 ・2005年(平成17)4月14日 乗車人数1,000万人達成。 ・2008年(平成20)5月17日 乗車人数2,000万人達成。
●リンク
名古屋ガイドウェイバス株式会社名古屋市交通局 |